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DXのアイデア出しには何が必要?先進企業の4つの事例から学ぶアイデア創出のヒント

DX事例

DXの実現に向けては、デジタル技術を自社のビジネスのどこに組み入れると変革を起こすことができるかというアイデアを出していく必要があります。
DXのアイデア出しにはどのようなポイントがあるでしょうか。
この記事では、DX先進企業の事例から、アイデア創出に関する知見を紹介します。

DXのアイデア出しに必要なこと

現場の思い付きやアイデアは、DXの原石です。普段の業務や顧客との接点で生まれたアイデアを拾い上げるためにはどのようなことを意識すればいいでしょうか。

たくさん出すこと、決して否定しないこと

DX先進企業の調査から、変革を実現するきっかけは「アイデアの数とその品質、具現性しだいである」という側面がありました。これは、業務プロセス、既存製品・サービスの変革、新たなビジネスモデル創出のいずれの場合も同じです。

DXプロジェクトは先行事例が少なく、未知の部分が大きいものです。そのため、失敗する可能性も高くなります。しかし、DXを成功させるには多くの失敗を乗り越えなければならず、アイデアの数がものを言います。

現場の経験や課題から生まれたアイデアを、社員が批判を恐れず発信できる環境が重要です。そのためには、日ごろからトライ&エラーを繰り返すことを、経営者は推奨すべきです。

定期的なアイデアソンで現場の声を吸い上げる

アイデアソン

多くのDX先進企業では、アイデア出しの仕掛けの1つとして、定期的に「アイデアソン」を開催しています。アイデアソンとは、デジタル技術を活用した事業・サービス案や業務改善案に関する、従業員による発表コンテストのことです。

ただし、ここで大切なのは組織のビジョンを実現するためのアイデアであることです。そのためには、ビジョンが組織や社員全体の共通の指針として浸透していなければなりません。

DXのビジョン策定についてはこちらの記事もご覧ください。
DXのビジョンとは?先進企業の5つの事例から学ぶDXビジョンの合意の進め方

他社の事例を自社に当てはめる

社内だけでなく、先行する他社の事例から変革のポイントを見出すこともできます。同じ業種の事例でなくても、変革のポイントを押さえることで、アイデアにつなげることができます。他社の事例を見るときには、「ここが違う」と差異を探すのではなく、「ここが同じ」と共通点を探し、自社に当てはまるものをアイデアにつなげることをおすすめします。

長い目で見てアイデアに投資を

拾い上げたアイデアを埋もれさせず、経営者が責任をもって予算と体制をつけ、実行していく必要があります。長い目で見た投資を行うことで、将来を見据えた成功の種まきをし、アイデアを育てます。こうして企業の継続的な発展を目指すことが、次のトランスフォーメーションにつながっていくのです。

DXのアイデア創出に関する事例4選

DXのアイデア創出に関する事例4選

 IPAによる「DX 先進企業へのヒアリング調査」の結果から、4社の先進企業の例を紹介します。
出典:IPA「DX 先進企業へのヒアリング調査 概要報告書」

【卸業G社】アイデアソンで経営陣注目のアイデアをサービス化

G社では、アイデアソンを実施したところ、「かつての置き薬モデル」を自社製品に応用できないかというアイデアが出ました。このアイデアに経営陣が注目し、最新のデジタル技術を組み入れることで、実行可能な事業としてサービス化を実現することができました。

【運輸業I社】荒唐無稽に思えることも却下せず実現を検討

I社では、「どこでもドア」のようなことを実現できないか検討してみようという発想からスタート。リアルでは実現できなくても、デジタルの世界の中であればアバターを用いたバーチャルな移動がある程度できるのではと考え、それを実現するプラットフォームを開発しました。病気などで移動できない人や宇宙領域での作業などへの応用も構想しています。

【金融業H社】他国の事例にならったデジタル化で、国内競合に先行

H社では、デジタル化の進展により自社のビジネス領域がなくなるのではないかという危機感がありました。そんな中、中国の同業の事例に刺激を受け、社長が変革の必要性を確信。事例の戦略にならい、自社の商品と隣接し国内の競合他社が扱っていない領域を見出しました。関連企業を買収しデジタル化を進めることで、業務革新を実現しています。

【運輸業J社】異業種の事例をヒントに熟練者の暗黙知をデジタル化

J社では、輸送設備のエンジンのメンテナンスを、職人が聴診棒にて行っており、熟練が必要でした。聴診棒を音響的なサンプリングとソフトウェアによる周波数解析に置き換え、特徴量を捉える技術を用いてデジタル化し、高精度な状態診断を実現することができました。運輸業と製造業という異なる業種でも、似ている課題があります。ここでは、熟練者の暗黙知がボトルネックとなるといった課題の解決事例が参考になりました。

アイデアを集め、失敗を恐れず実行しよう

先進企業の例では、アイデアソンを開催したり、他社事例を参考にしたりといった方法でアイデア出しをしています。大切なことは、アイデアを否定しないことです。実現可否よりも、どうすれば実現できるか、顧客や社会にどのような新しい価値やインパクトを与えられるかという視点で考えることが重視されます。
また、アイデアを実行し、たとえ失敗しても、立ち止まるのではなく失敗から学び、成功につなげるということが重要な考え方です。

組織のビジョンを実現するために何ができるか。アイデア出しを始めましょう。

「先進企業の事例で学ぶDXの勘どころシリーズ」の記事はこちら

1.DXのビジョンとは?先進企業の5つの事例から学ぶDXビジョンの合意の進め方
DXのビジョンとは?

2.DXのアイデア出しには何が必要?先進企業の4つの事例から学ぶアイデア創出のヒント(本記事)

3.DXを推進する体制とは?先進企業の6つの事例から学ぶDX推進の体制づくりDX推進の体制とは?

4.DX人材とは?先進企業の6つの事例から学ぶ「ヤタガラス」スキルと人材確保・育成DX人材とは?先進企業の6つの事例から学ぶ「ヤタガラス」スキルと人材確保・育成

DXの進め方をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
DX実践手引書 ITシステム構築編とは ~DXを成功に導く「ヤタガラス人材」と「スサノオ・フレームワーク」を解説~



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