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APIとは? 今さら聞けないDX関連用語をわかりやすく解説

ITシステムの説明やDXの事例によく出てくる「API」という言葉。みなさんはAPIがなんなのか説明できますか?

DXを実現するためのITシステムには欠かせない「API」の言葉の意味や使い方、メリットについて、具体例も交えてわかりやすく解説します。

APIとは?

APIとは、「アプリケーション・プログラミング・インタフェース(Application Programming Interface)」の略で、「エーピーアイ」と読みます。アプリケーション、つまりソフトウェアやプログラムやWebサービスの一部を公開する手段を示す言葉です。「インタフェース」は「接点」のことなので、APIは「アプリケーション同士の接点」とも言いかえられます。

みなさんの周りにも「API」が使われている例はたくさんあります。

たとえば、家計簿アプリと銀行口座を連携している人もいるでしょう。わざわざインターネットバンキングにログインしなくても、家計簿アプリから銀行口座の残高が見られます。ここでは、家計簿アプリとインターネットバンキングを接続するところで「API」が活用されています。

たとえば、スマートスピーカーから家電を操作したり、飲食店検索サイトから地図アプリを開いたり、生活の中で利用するさまざまなソフトやサービスが「API」で連携されています。

Webサイトの住所入力フォームで、郵便番号を入力すると住所が途中まで自動入力されるのも、APIの恩恵です。

ビジネスにおいては、会計システムのデータを請求書発行のクラウドサービスへAPIで連携し、請求書を送るといったことも身近になってきています。

APIという言葉はどんなときに使う?

「API」という言葉の使い方に、はじめは少し戸惑うかもしれません。ITシステムを利用する立場では、「APIを活用する」とか「APIを使ってシステム連携する」のように使うことが多いです。

ITシステムを検討するときには、ITシステムやサービスの提供事業者に「API連携できますか?」「どんなAPIがありますか? このAPIで当社が使っている○○システムとデータ連携できますか?」というような聞き方ができるでしょう。

ITシステムを作る立場では、APIを実行することを「APIを叩く」とか、APIでデータをとってくることを「APIを呼び出す」なんていう使い方もしますよ。

APIのメリット

APIを活用すれば、組織や企業内の様々なシステムとシステムを柔軟に連携できるようになります。また、APIをサービスとして外部に公開することで、組織や企業を超えた連携も期待できます。

ここでは、APIを活用することのメリットを4つ紹介します。

  • 利便性
  • 効率性
  • データ活用
  • セキュリティ

それぞれの観点で、どんなメリットがあるのか見てみましょう。

利便性

APIを利用して設計・構築されたシステムやサービスは、自社のビジネスだけでなく、自社の提供するサービスの利用者の利便性も格段に向上させます。

たとえば、自社が提供・利用するサービスに、他社から公開されているユーザー認証サービスを採用することで、ユーザーの認証機能を自社で開発・管理する必要がなくなります。それだけでなく、ユーザーは新しいIDを作る必要がなく、すでに持っているIDを利用することができます。

自社にとってもユーザーにとっても、利便性が上がるのです。

効率性

APIをうまく利用できれば、開発や運用面で効率性が向上します。

複数の組織や企業のシステムで同一機能の多重開発が避けられます。サービスについても同じで、すべてを自営する必要がなくなります。そうすることで、自社の独自性のある部分に重点を置いた開発が可能となり、自らの強みの部分に投資を集中させることができます。

データ活用

自社のもっているデータを使うだけでは、データの価値を有効に利用しきれているとはいえません。もちろんデータの保全・保護・倫理上の配慮などは欠かせないものの、データを正しく処理・加工しながら利用したり、利用させたりすることは社会の発展に役立ちます。

APIを介することで、自社のもつデータを他社に利用させたり、他社のもつデータを利用させてもらったりといった、より広範囲でのデータの流通や活用が可能になります。

こうしたデータ群を組み合わせて利用すれば、いままでなかった新たなサービスを提供できるかもしれません。

現在では、このようにAPIを通して、それを利用する第三者を含めて相互に発展していく経済圏を「APIエコノミー」と表現するようにもなってきています。

セキュリティ

APIの利便性とセキュリティは表裏一体ではあります。

しかし、正しく企画・設計・構築することで、APIによりそれぞれ独立した機能として構成されたシステムは、より強固なセキュリティを実現することもできます。

APIを使うときの注意点

APIを活用すれば大きな効果が期待できますが、安易に用いればリスクにもなりかねません。

APIの特性上、範囲の大小はありますが、公開されることが前提となります。検討の段階から、公開の対象や範囲、利用者の認証などは要件定義をしておく必要があります。

APIを活用するときの注意点については、とある会社の棚づくりに例えた解説記事を公開しています。ぜひご覧ください。
DX実現のためのAPI活用 注意点を棚づくりに例えてみよう

APIを活用してDX実現のスピードを上げよう

DXを実現するためにITシステムの構築やITツールの導入を検討する際、必ずといっていいほど「API」の活用が視野に入ってくるはずです。

APIはアプリケーションとアプリケーションを繋ぐもの。APIをうまく活用できれば、システム構築のスピードや効率が上がり、また、自社だけでなくユーザーや他社にも便利なサービスを提供できます。

まずは「API」という言葉を理解し、みなさんの組織のDX実現に向けて、APIの活用を積極的に検討していきましょう。


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